映画「ブラック・スワン」感想

映画「ブラック・スワン」を見てきたので感想とプロットまとめを書くよ!
いつものようにネタバレまくりで。

感想

 痛い。ほんとに痛い。指が。さかむけをいじるのはやめてええええええ! SAWみたいな痛いのを楽しむ映画にひけをとらない、鳥肌の立つ痛覚演出。もうやだ。でも、くやしい、見続けちゃう……ビクンビクン。
 そんな映画だった。それと、お母さんの絵がこわかった。あんなに絵をいっぱい置いておくと霊がとりつくよ、お母さん。バレリーナだから高カロリーのケーキは駄目なのにプレゼントしちゃうし、断られたらすぐ捨てようとしちゃうし、お母さんがいちばん危うい人だと思うよ。
 映画「レスラー」の延長らしいところもある。画面中央の主役を、後ろから捉えたカメラでゲーム画面のように追うカットが多用されていたあたり、レスラーとかなり似た印象を覚えた。
 あ、あと、バレエの練習中に、ナタリー・ポートマンの乳首が練習着から浮き上がって見えるよ。ナタリーの貧乳が。そんだけ。

キャラクター

  • ニナ:主人公。バレリーナ。プリマ。白鳥の王女と黒鳥を踊る。
  • リリー:バレリーナ。黒鳥の才能がある。積極的で性に奔放な印象がある。
  • トマス:バレエの監督。一流の監督だが、ニナに指導をする。
  • ベス:有名バレリーナだが、近々引退する予定。
  • 母:ニナと同居している。

ストーリー

順番違いや、登場人物に間違いがあるかもしれないので注意。特に序盤は、バレリーナたちの顔の見分けがつかないのではっきりと判別できない場面が多かった。

序(発端)

 ニナはプリマ(主役)を目指すバレエダンサー。母親とアパートで二人暮らし。バレエに向いた身体づくりのため、朝食はグレープフルーツ。家でも練習を欠かさない。臆病で繊細な白鳥の演技に関しては優れるが、蠱惑的な黒鳥は苦手。ベテランのベスがプリマになるかもしれないとニナは感じる。ニナはトマスに候補生に選ばれ、プリマオーディションに参加する。白鳥の踊りは評価されるが、黒鳥に関しては苦手なまま。黒鳥の得意なライバルが、プリマに選ばれるのだとニナは思う。

序→破のプロットポイント

 ニナはレッスン後にトマスの部屋を訪れ、自分を主役を指名するよう懇願する。トマスは、ニナに、性に奔放になるよう迫り、無理矢理ニナにキスをするが、ニナはトマスの口を噛んでトマスを押し離す。トマスの部屋を出たニナは、自分はもう選ばれないと思い、ライバルに「おめでとう」と告げる。だが、張り出された選出者リストに書かれたのは、ニナの名前だった。

破(葛藤)

 白鳥・黒鳥のレッスンを続けるニナ。だが、なかなか黒鳥の踊りがうまくいかない。ニナは、黒鳥の才能があるリリーと会話するようになる。リリーは性に奔放な印象で、社交的。引っ込み思案なニナにも積極的に話しかけようとする。
 劇団のスポンサー向けパーティーで、熟練のバレエダンサー、ベスの引退と、プリマ・ニナの紹介が大きく告知される。ベスはニナを妬み、トマスとニナに詰め寄る。トマスはベスを追い払い、ニナを家に招待する。トマスはニナに、黒鳥の艶美について語り、宿題としてニナの自宅で自慰するよう告げる。困惑・混乱・恐怖・躊躇・期待などを感じながらニナは帰宅。着替える際に、肩のひっかき傷が深くなっていることに気づき、身体の異変を強く覚え、気を失う(たしかそうだったと思う)。翌朝目覚めたニナは、トマスの言いつけどおりに自慰に挑戦する。が、すぐそばに母がいることに気づき、慌ててやめる。練習場に赴くと、ベスが事故に遭ったことを知らされる。パーティーの直後、車に轢かれたらしい。
 ベスの病院に駆けつけたニナは、ベッドで眠るベスにすがりつく。シーツを持ち上げると、そこには深く痛々しい傷跡が。愕然としたニナは、逃げるように病院を後にする。
 家に帰ったニナは、さらなる恐怖と混乱を覚える。肩のひっかき傷のことなどで母親と諍いになるニナ。小言を言う母に、自分は十二歳の女の子じゃないとニナは言い放つ。
 リリーがニナのアパートを訪れ、夜のバーに誘う。リリーに誘われるまま、トムとジェリーと名乗る、ゲイだと主張する男たちと話し、リリーの持っていた薬物を飲む。クラブで踊ったりしたあと、トリップから復帰し、リリーと共に帰宅する。母にまた叱られるが、無視してリリーと共に自室に戻る。リリーの誘惑に乗り、ニナはリリーとセックスする。
 目覚めると一人で、すでにレッスンの時間を過ぎていた。取り急いてレッスンにかけつけると、リリーが黒鳥を踊っていた。「踊ってと言われたから踊っただけ。他意はない」とリリーは言い、また「トマスと寝たの?」と問う。不審を抱くニナ。
 黒鳥の踊りに目覚めていくニナは、また同時に、身体が変化していくことに恐怖する。
 このあたり、人形をダストシュートに捨てたり、母の手をドアで挟んだりする描写があったけど、順序を正確に思い出せない。
 母親にも、プリマを辞退すべきだと言われるが、気にせず練習を続ける。リリーはプリマの代役に選ばれる。ニナはリリーを代役にしないでほしいとトマスに訴えるが、却下される。
 上演の前日、ニナは自信を持てず、遅くまで練習を続ける。時間が遅くなりすぎたせいで、ピアニストにも伴奏を断られたが、さらに練習を続けていると、練習場の照明が消えた。点けなおそうと、練習場を出たニナは。リリーとセックスしており、さらに悪魔に変化しかけているトマスを目撃する。逃げだしたリリーは、ベスのいる病院へ駆け込む。椅子に座るベスに、ニナは口紅など化粧品を見せる。ニナは、ベスにようになりたいと思い、おまじないとしてベスの持ち物を盗んでいたのだ。ベスはニナが見せた物のなかからナイフ(化粧品?)を取り出し、自分の顔や身体を刺し、ニナが止めてもざすざす刺し続ける。ニナは驚いて逃げる。家に逃げ帰ったニナの前には、動き出す絵や狂気に染まる母が待ち受けていた。ニナは気を失う。
 目覚めると、自室のベッドの上だった。そばには落ち着いた様子の母がいた。ただの悪夢だったのだとニナは思う。

破→急のプロットポイント

 今日は上演初日だ。急がないと。もう劇団に体調不良を連絡したから、と制止する母を振り切り、ニナは家を出て会場に辿り着く。

急(解決):

 会場では、リリーが代役としてプリマを踊る手配が進んでいた。ニナは自分が踊ると言い張り、認めさせる。王子役が、他のダンサーといちゃいちゃしているのを見て動揺したニナは白鳥の踊りに失敗する。トマスも彼女を叱責する。休憩時間に、楽屋に戻ると、自分の席にリリーが座り、黒鳥の衣装を身につけていた。「あなたの代わりに私が踊る」と告げるリリー。ニナはリリーに組みつき、黒鳥の衣装を脱がそうとする。組み合いの拍子に鏡が割れ、その破片をニナはリリーの腹に突き刺す。息絶えたリリーを、楽屋のトイレに引きずり、隠すニナ。
 黒鳥の衣装とメイクをまとい、ニナは舞台に現れる。黒鳥に変身して踊るニナに、観客は熱狂する。休憩時間に楽屋に戻るニナ。ドアがノックされる。開けるとそこに、リリーがいた。なにもなかったように黒鳥の演技を褒め称えるリリーに、ニナは錯愕し、無難な返事でリリーを追い返したあとに、リリーの死体を隠したはずのトイレを開ける。そこには死体もなにもなかった。そしてリリーは、自分の腹に刺し傷があることに気づく。
 傷を押して、ニナは再び舞台に立つ。そのダンスは見事なものだったが、ニナの傷もしだいに深まってゆく。最終局面、舞台の中央の段に上がったニナは、振り付け通りに跳び降り、ダンスを終えた。


 ふおお、一度見ただけだと、ストーリーが頭の中で錯綜して順序がよくわからないことになってしまう。とにかく痛くて怖かった。以上!