院試用語まとめ

ヒューマンインタフェースの用語をまとめてみました。
これもやっぱり受講してないので、間違いが含まれるかもしれません。

ユーザを理解する

認知とは

日々の活動時に人の脳で起こっていること。様々なプロセスから構成されており、それらは相互に依存している。注意、知覚、記憶、読む、話す、聞く、問題解決、計画、推論、意思決定、学習といったプロセスがある。

注意

周囲の多くのもののなかから注目すべきものを選択するプロセス。注意を研究することでユーザが注目しやすいインタフェース作りに役立つ。

知覚

情報が様々な感覚器官を介して環境から取得され、オブジェクト、イベント、音や味などの経験へと変換されるプロセス。知覚を研究することで知覚しやすい表現にデザインするよう、配慮できる。

記憶

人が適切に行動するために知識を符号化し想起するプロセス。記憶を研究することで、使い方のわかりやすいGUIを選んだり、適切なアイコンを適用したりできる。

メンタルモデル

ユーザが持つ「システムをどう使用するか」「システムがどう動作するか」に関する知識のこと。状態遷移モデルなどがある。多くの人は「エレベーターでボタンを連打すると早く動く」といった誤ったメンタルモデルを持っている。

状態遷移モデル

異なる状態に切り替わってゆくように見えるシステム。外観が状態の変化を表現し、状態が変化するとユーザーへの応答も変化する。電話と受話器など。

オブジェクト・アクションモデル

PCのアイコンなど、オブジェクトの集まりに見えるシステム。オブジェクトに対して実行可能なアクションがあり、個々のオブジェクトの状態・属性が表現されている。オブジェクト間に相互作用がある。アイコンにおいては、アクションは選択、フォルダを開く、など。

マッピングモデル

Word使用時一連のフォント変更作業のように、繰り返し実効されるアクション系列を含むシステムで構成される。アクション系列を記憶から引き出して実行する。状態遷移モデルやオブジェクト・アクションモデルが基本になったりする。

類推モデル

ユーザにとってなじみのあるシステムに類似する場合に形成される。たとえば、WindowsユーザがLinux Ubuntuを初めて使う際に適用される。戦闘機のコクピットシミュレーションなど。

情報処理モデル

コンピュータの処理をメタファにした概念フレームワーク。ヒューマンプロセッサモデルのようなモデル化を行う。認知を一連の処理段階として概念化する。

外部認知

人が外的表現と相互作用するときの認知プロセスを説明するモデル。外部表現は、本、新聞、ウェブページ、地図など。表出化(メモ書き)、計算負荷の軽減(筆算)、注釈づけ(アンダーラインを引く)、認知トレース(トランプの並べ替え)といったプロセスが存在する。

分散認知

異なるメディアを通じて伝わる認知のこと。異なる能力の人間・環境・機械がそれぞれ相互的に影響しあって分散認知を形成する。従来の認知モデルは各人の脳内の活動に着目していたが、分散認知は個人や機器、環境の関係に注目している。飛行機の管制官が「高度を上げよ」と言語で指示を出すと、パイロットが心的な作用を受けて高度メーターの設定を物理的に変更し、機長がその動作を視覚的に確認する。こういった認知モデル。

インタフェースの設計プロセス

  1. 需要・要求の分析
  2. 代替デザイン案の検討
  3. プロトタイプを作成
  4. デザインの評価

こういったプロセスを繰り返し、あるいは行きつ戻りつしてデザイン設計を行う。

プロトタイプの忠実度

紙(スケッチ、インデックスカード、ストーリーボード)やWizard of Ozは忠実度が低く、製品に近い見栄えの、α版などのソフトウェアは忠実度が高い。

インタラクション設計の基本モデル

需要・要求の分析、代替デザイン案の検討、プロトタイピング、デザインの評価。このプロセスを行き来して、最終的な製品の実装を行う。

ウォーターフォールモデル

古典的なライフサイクルモデル。途中で問題が発生した場合の手戻りはあっても、繰り返しはない。最初から要求がほぼ分かっていることが前提となる。

ラピッドアプリケーション開発

忠実度の高いプロトタイプを用いて、デザイン・実装と評価を何度も繰り返す。

スパイラルモデル

プラン、リスク分析、プロトタイピング、検証を段階的に繰り返す。

スターモデル

評価を中心として、実装、タスク・機能の分析、プロトタイピング、要求分析、といったプロセスを色々な順番で繰り返す。どこから始めるか決まっていない。

評価

ユーザに問うやりかた
  • インタビュー
    • 事前に決めた質疑応答計画にのっとった構造化インタビュー
    • 質疑応答の流れを自由に決める非構造化インタビュー
  • アンケート
    • リカート尺度やSD尺度を用いる。選択式のアンケートは効率的。
専門家に問うやりかた
  • ヒューリスティック評価:設計ガイドラインを抽象化・一般化したヒューリスティクスを基準に複数の専門家が問題発見を行う動作するプロトタイプもユーザも必要ないので低コスト。だが信頼性をあげるには専門家が複数必要で、コストは上昇する。
  • 認知ウォークスルー:シナリオに沿って問題解決過程をシミュレートする。典型的なユーザ像、評価対象のタスク、タスク達成に必要な操作系列、これらを準備する。「次の操作で何を達成すればいいのか」「どう操作して達成するのか」「達成できたことをわかるか」がわかるか、これらの質問に回答し、NOとなる質問に対して問題点、改善策をまとめる。
  • 多元的ウォークスルー:ユーザ・開発者・ユーザビリティの専門家が集まってウォークスルーを行う。画面写真を全員が見て、各自が別々に、ありうる操作系列を書き出す。ユーザがウォークスルーする操作系列を提案し、ユーザビリティ専門家が認知ウォークスルーで発見したことを述べる。

反復デザイン

概要

ウォータフォールプロセスのような直線的に、ソフトウェア制作は進行しない。ユーザの要求は変化し、基礎的な技術も変化する。正しい設計を机上で得ることは困難。古い教科書にあるような、製品の定義に時間を取るのは非効率。反復デザインを使うべきである。

反復デザインの詳細

大規模プロジェクトのライフサイクルを複数の連続した小さなウォーターフォールに分割する。それぞれにおいて、まず要求の一部とリスクの一部のみを扱い、わずかだけ設計、実装して検証する。この作業をプロジェクト完了まで反復する。製品の方向付けを重視する。

RUP

反復デザインのひとつ。反復をあらかじめ計画する。

エクストリーム・プログラミング

エンジニア手動のプログラミング。アジャイルなソフトウェア開発。初期段階の設計には時間をかけず、コーディングとテストを重視して、常にフィードバックを行い、再設計してゆく。反復開発に比べて繰り返しの期間が1〜4週間と短い。

ソフトウェア工学に関してはここが詳しい。
http://jibun.atmarkit.co.jp/lskill01/rensai/takumi/03/01.html