「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」1話感想

公式サイト:http://www.anohana.jp/
第1話:超平和バスターズ

感想

 とてつもなく面白くなりそうな予感がする。いやすでに思い出の隙間にグサグサくる。
 じんたんがゲームボーイしてるところとか、チンして食べてねとか、そういう寂寥感と懐かしさが同居する描写がもう見ていていたたまれないほどだ。
 くわしく説明すると、一人でゲームしてると寂しいけど退屈ではなくて、でも自分を冷めた目で見ているというか、友達と遊んだほうがきっといい時間の使い方なんだろうな、どうしてこんな寂しい遊び方をしてるんだろう……とバックグラウンドで後悔しながら、それでも目の前のゲームは無意味に楽しくて、やめられない。そういう感覚。
 視聴継続決定!

キャラクター

  • じんたん(宿海仁太):主人公。高校受験に失敗し、引きこもっている。めんまの死の傷を心に抱えている。幼少の頃は仲間たちの中心にいた。
  • めんま本間芽衣子):小学生の時に死んでいる。ちっこくてウザかわいい。
  • あなる(安城鳴子):じんたんと同じ底辺高校に通っている。
  • ゆきあつ(松雪集):じんたんが行きたかった進学校に通っている。顔が良くて要領もいい。めんまのことになるといまでも熱くなる。
  • つるこ(鶴見知利子):ゆきあつと同じ学校に通う。

ストーリー

序(発端):約8分30秒

 だらだらと夏を過ごしていたじんたんの前に、そこにいるのが当たり前のようにめんまが現れる。だが様子がおかしい。じんたんの父には見えないようだ。ラーメンを食べよう床に座ったじんたんの股間めんまが腰をおろし、エロさにじんたんは気絶する。
 じんたんは小学生の頃を思い出す。それは仲間たちの中心にいた、鮮やかで幸せな時間だ。目を覚ましたじんたんは、あなるを幻覚として扱うことにする。
 あなるがじんたんに、先生に頼まれた夏休みの宿題を届けに来る。あなるにもめんまは見えない。夏休みはあと二日しかないというのに。あんなアホ高校には行く気がないと告げると、「あんた、みっともないよ」と吐き捨てられる。そのままあなるは帰ってしまう。
 めんまは、「もう一度あなると話して」仲直りしよう、とじんたんに迫る。小学生の頃の記憶がよぎったじんたんは、めんまに従ってとりあえず家を出ることにする。

破(葛藤):約12分

 帽子とメガネで軽く変装し、めんまと共に表に出るじんたん。だがあなるの家とは違う方向に歩いてゆく。訝しむめんまに、ついでに散歩すると説明する。
 同じ中学だった人たちとすれ違い、自分だとばれてしまうことを怖がるじんたん。ばれなかったが、自分のことを誰も気にしていないことに、かえって無力感・寂寥感を味わう。
 線路わきの柵から跳び降りためんまを見たじんたんに、めんまの事件の記憶がフラッシュバックする。助けようと駆け寄るが、転んでしまう。めんまは転ばなかった。そこに、つることゆきあつが偶然通りかかる。
 彼らは夏期講習の帰りだった。めんまは再会を喜ぶが、二人にめんまは見えない。
 立ち去ろうとするじんたんは、めんまのことを口にする。ゆきあつはそれに強く反応し、受験に失敗してひきこもりになったじんたんを嘲る。
 いたたまれなくなり、じんたんは逃げだしてしまう。
 追いかけてきためんまを、じんたんは「俺のストレス」が原因の幻覚だと言い張り、もう来るなと拒絶する。
 帰宅したじんたんは、めんまがいた少年時代を思い出す。じんたんが仲間の中心にいた頃だ。仲間たちの前で、「じんたんってさー、めんまが好きなんでしょ」と問うあなる(幼女)。囃したてるぽっぽ。めんまは苦笑いする。逃げだすように秘密基地から出たじんたんは、走って家に帰る。ちょうど父親が母に会いに行くところだった。昼食をチンして食べる。まずい。そのあと、幼少のじんたんはめんまが事故に遭ったという知らせを聞く。
 その頃、めんまは生きていた頃の家に来ていた。弟は成長し、両親は老いていた。仏壇に自分の遺影があり、母がカレーを供えている場面を見ためんまは、「知ってるよ、めんま、自分が死んじゃったことくらい、知ってるよ」とつぶやく。
 また幼少の思い出。めんまの死のあと、仲間たちはなんとなく離れていった。ラーメンにタマゴを落とそうとしていたじんたんの頭に、めんまの声が響く。「めんまねー、かき玉がいいの、かき玉!」。じんたんは走りだす。エンディングを挿入歌に使って盛り上げながら、めんまのことを想うあなる達を描く。

急(解決):約2分

 めんまが行きそうな場所に向かって全速力で走るじんたん。「俺は、欲しかった。ずっと。あの日の明日が。めんまに謝れる明日が、欲しかった」。きっとめんまに謝るためにめんまを(幻覚として)作り出したと考えるじんたん。じんたんはかつての秘密基地に辿りつく。秘密基地は誰かが整えた形跡があり、マニアックな人妻系エロ雑誌が。そこに、ぽっぽがやってくる。「じんたん、どうしてここにいんの?」。次回に続く。


 序がかなり長く(OP、ED含めて10分/23分くらい)、急が短い(2分くらい)ことがわかった。TVシリーズの1話だから、説明が必要なこと。そして、次回への引きのため、続きが気になるところで切ったことがその原因だろう。映画なら、完全に急を解決させてエンディングだが、あの花はまだ1話だ。まだ視聴者を納得させる段階じゃない。