映画「いばらの王」の感想など

更新がそろそろめんどくさくなってきたけどTwitterでのプロフィールもかねてブログも続けてくつもりだ。


で、映画の感想


□最近観た映画:()内は10点満点の得点
いばらの王(6)
月に囚われた男(7)
コラテラル(9)
・セブン(8)
フォレスト・ガンプ(9)
バットマン ビギンズ(6)
ブレイド2(7)


□その感想


 5月1日にレンタルビデオ店で8つくらいDVDを借りてきて、毎日2枚ずつほどのペースで映画を見てた。うえにあげた以外にも色々見てたけどめんどくさいので感想はここには書かない。
 バットマン ビギンズコラテラル月に囚われた男、そしていばらの王についてだけ感想を述べでおこう。
 ちなみにがんがんネタバレしていくつもりだ。ネタバレが怖いならここで引き返していくがいい。


 さてバットマン ビギンズ
 悪くはないのだが「ダークナイト」と比べると見劣りする。
 チベットに行ってまで忍術(英語でニンジュツと言ってる)を学び、渡辺謙ひきいる忍者たちの思想を聞いて影の軍団に反発し、隠れ家を爆破したり(ここが前半の山場)突っ込みどころ満載である。
 バットマン ビギンズの最大の問題点は、明確な黒幕を設定したことだろう。ゴッサムシティを覆う不況も犯罪もすべて黒い組織がからんでおり、その裏では影の軍団が糸を引いている。
 ちがう、そうじゃないんだ。
 現実の9.11もイラクルワンダもコロンバインも、影の軍団の陰謀で引き起こされたんじゃない。無数のどこにでもある些細なことがらが原因で、悲劇があっさり起こってしまったんだ。
 そこから逃げるのは卑怯だ。
 ビギンズの問題に気づいたのだろうクリストファー・ノーランが作った次回作「ダークナイト」では見事にそれに立ち向かって見せた。
 犯罪を作るのはどこにでもある人の悪意であり、それはたいていの場合、善意でもある。





 コラテラル。熱い。かっこよすぎる。
 殺し屋の経歴や過去はほぼ語られない。秘密が明かされそうになっても彼は「冗談だ」とはぐらかす。
 だがそれがいい
 人の価値を決めるのは過去でなく現在の行動。多くを語る必要もない。それが孤独な男の生き様だ。
 こいつを見て、僕はマイケル・マンの映画をもっと見るべきという結論に達した。





 月に囚われた男。見てわかるとおり低予算映画だ。だが面白い。
 ちゃちなセットと少ない俳優。ふるぼけたイメージ(2001年宇宙の旅へのオマージュ?)でも傑作を作れることを僕に教えてくれた。
 ストーリー自体も単純だが、感動ポイントはしっかり作り込んである。京都シネマにいた僕は、大きくなった娘のシーンでひそかに涙ぐんでしまった。





 「いばらの王」。一緒に観た友人は原作既読だったので劇場を出たあと聞いてみたら、ストーリーはけっこう違っていたらしい。基本的な設定は変わらないが、細部のエピソードをかなり切ってあるそうだ。


 3DCGでの銃撃戦などアクションは、ロングカットではなかなか2次元アニメと合ってたが、アップになるとけっこう違和感が強かった。顔だけでも手描きで修正すればいいのに。
 いま僕が友達と作っているゲーム「アナテマ・フィジクス」にもM4A1が登場するので絵師様に銃を撃つシーンを頼んだのだが、銃をかくのは苦手らしくてM4A1だけgoogle 3Dのモデリングをそのまま使うことになった。アニメーターでも銃が苦手な人は多いだろうから、銃撃戦で3Dになるのは自然なことだろう。ちなみにgoogle 3Dは非商用なら使って問題ないそうだ。ぐーぐるすげー。


 で、例のハリウッド風のアクションが話題らしいが、実のところそれは重要じゃないと僕は思う。
 3DCG生かした何度にもわたるアクションも作劇において大切なことは大切なのだが、それは物語の根幹に関わるものというより舞台装置として重要なものだ。
 つまりあれは「典型的なハリウッド映画風展開」のためのガジェットだ。
 物語後半、城のなかの出来事が夢なのかもしれないと登場人物が考え始め、メタフィクショナルな展開となっていく。
 勘のいい観客なら、序盤の「夢は見るのですか?」でこうなることは予感できていただろう。時間のない映画なんだから余計なシーンはなく、序盤は伏線でしきつめられているのは当然だ。
 アニメで夢がでてくるとたいてい「胡蝶の夢」になる。押井守さんの映画・うる星やつらビューティフル・ドリーマー」から僕が学んだことだ。
 そのメタ展開から、監督の片山一良さんが監督をつとめたビッグオーを連想したのは僕だけではないはず!
 ……と思ってたが、どうやらそう思った人は少ないらしい。なぜだ。


 夢を現実にするシステムを軸にしたメタフィクション的な映画だったのだけど、それで突っ切るにはいらないシーンが多かったと思う。メデューサウィルスの正体や社長の陰謀など、必要なのはわかるが最後の戦いに重要じゃないからそのあたり制作スタッフも苦心したんだろう。
 DARKER THAN BLACK 流星の双子の終わり方とちょっと似てると思った。理想=夢を現実に変えてしまうという点でも、花澤香菜さんのつながり的な意味でも。


 推敲する時間をかけるのがめんどくさいので推敲なしでブログにする。
 文中で思考が二転三転、右往左往してるがこの際気にしない。